Webサイトのアクセス解析では、非常に多種多様なデータを取得することができる。
膨大な情報から的確に自サイトの課題を抽出する場合に、効果的な3つのチェック項目を紹介する。

アクセス解析の基本となるのは、アクセスの3段階フェーズに沿った項目チェック

Webサイトのアクセスは、「集客」「行動」「コンバージョン」の3段階のフェーズに沿った分析を行う。

• 集客フェーズ：ユーザーがまだWebサイトに訪れていない段階からどのような経路でWebサイトへ訪れたかという経路分析が主となる。
• 行動フェーズ：Webサイトに訪れてからどのような行動で情報の閲覧を行っているかというサイト内の行動分析である。
• コンバージョン：Webサイトの目標（コンバージョン）に至るまでの経路最適化、ページ最適化等の測定をおこなう。

アクセスの多少に関わるのは主に集客フェーズ

ユーザーがパソコン、もしくはスマートフォンのWebブラウザを開いてから、どのような経路であなたのWebサイトへ到着したかを分析する。検索エンジン、広告経由など流入経路別のアクセス状況をチェックする。GoogleAnalyticsでは、「集客＞すべてのトラフィック＞チャネル」で内容を確認することができる。各チャネル別のアクセスの割合を確認することはもちろんだが、チャネル毎の回遊率や滞在時間を確認することで、各々の流入経路の特徴が分かるようになる。

重要なポイントは、それぞれの特徴においてなぜそうなるか？という点である。

例えば、「自然検索のアクセスと比較してSNS経由のアクセスの方が回遊率が高い場合、Facebook、Twitterなどのエンゲージメント（つながりの強さ）が強く、サイトのコンテンツに対して興味・関心度の高い状態でのアクセスが多いからである。」とか、「広告流入の直帰率が高いのは、直接ゴールとなるページを設定しているため、そもそも回遊率が高くなる想定はしていない。」など、一つ一つの数字に対しての根拠となる仮説を明確にしていきたい。

行動フェーズは、サイト到着からコンバージョンへの導線をチェック

行動フェーズでは、サイト到着からコンバージョンへの導線がうまく機能しているか？という点をチェックする。したがって、「ユーザーはランディングページからこのページを経由してコンバージョンする」といったような、コンバージョンに至るまでのシナリオが準備されている状態が理想的である。

コンバージョンについてはWebサイトの特性や目的によって期待する行動が変わってくるため、一概にコレというものは言いづらいが、ランディングページに対する直帰率は共通して確認している。GoogleAnalyticsでは、「行動＞サイトコンテンツ＞ランディングページ」で内容を確認することができる。ランディングページに対して直帰率が高い状態とは、ユーザーがサイトに訪れた目的を達成できないと判断している可能性が高く、いわゆるコンテンツマッチができていない状態である可能性が高い。直帰率の高いページへのアクセス経路に対して実際にユーザー体験することで、その原因を探ることができる場合が多い。

コンバージョン改善は、集客・行動フェーズの改善からEFOなどのテクニカルな要素まで総合的な対応が求められる

コンバージョンの改善は、Webサイトの最終目的でもあり最も対策が難しい項目である。集客のフェーズでは、どのチャネルのアクセスがコンバージョンにつながりやすいか？コンバージョン率の高いチャネルのアクセスを増やす対策もコンバージョンを増やす対策となる。行動フェーズでは、コンバージョン前に経由するプレコンバージョンページへの誘導ができているか？など、シナリオに沿った課題を見つけ出すことが必要になってくる。最終的なメールフォームなどのコンバージョンページにおいては、フォームの操作性の改善や入力項目数の調整などのEFO対策（エントリーフォーム改善）も必要である。

実施すべき対策は多岐にわたる傾向がつよいコンバージョンの改善であるが、効果が期待できるのはフォーム改善等の最終地点から近い対策と言われているので、しっかりと優先順位を見極めて対策していきた